北京冬季オリンピックについて

 中共政府は1988年からウイグル人に対して強制的な計画出産政策を強制している。つまり、結婚後3年間は子供を作ってはいけない、第一子誕生後はその子供が3歳に達するまで第二子を作ってはいけない、そしてウイグル人の女性は結婚前は避妊リングによる避妊手術を受けなければならならず、そうしなければ結婚証明を発行してもらえない等々である。


 各クラスの出産計画委員会の幹部や郷長・村長が、もし避妊リングの手術を受けていない女性を発見したり、手術を受けたにもかかわらず妊娠した女性を発見したならば、犯罪者と同様にトラクターやトラック、警察車両や救急車を使用して、その女性を付近の医療所に移送し、医者に対して堕胎手術を命じなければならない。これは出産まで数日となっている胎児も例外ではない。

 ウイグルから海外へ脱出してきた医師たちの供述によると、「違法妊娠」した女性たちに対する堕胎手術はきわめて残忍なものである。もし胎児が妊娠7~8ヶ月となっていた場合、堕胎手術はとても困難なものとなる。医師たちは一種の針のようなものを子宮に差し込んで、先ず胎児を母親のお腹の中で生きたまま破砕し、その後でその肉片を取り出していくのである。この「違法妊娠」には、結婚後3年以内にできた子供、第一子誕生後3年以内にできた第二子、そして第三子以上の子供が含まれている。

 さらに受け入れ難いのは、ある地域では妊娠中のウイグル人女性に対して、本人の同意が無いまま医師が避妊施術を行い、二度と子供が産めない体にしてしまうことさえあるのだ。

 2004年までに、少なくとも100万に達する嬰児がこのように殺され、数十万の農村女性が劣悪な医療条件の下での強制堕胎手術によって命を落としたり、心や体に重大な傷を負っている。
(「東突厥斯坦 維吾爾人的真実世界」HUR・TANGRITAGH著 前衛出版社 P141~P142)

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 久しぶりの投稿で、いきなりこんな話を載せるというのは、まぁ、どんなものかなぁ、とは思いましたが、北京冬季オリンピック開催後にふさわしい話題ではないかと思い、思い切って載せました。

 オリンピックに参加する各国の選手たちの真剣な闘いについて、どうこう言うつもりはありません。私だって彼らの素晴らしい活躍に感動するし、日本の選手が上位にくい込みメダルを獲得すれば嬉しいんです。

 でも、中華人民共和国でオリンピックを開催するということの裏には、どうしてもこうした暗い側面が存在していますよね。まぁ、確かにどの国にも問題はあるし暗い側面も存在しますが、この国のその暗さは度を超して際だっていますよね。

 この本が書かれたのは2010年前後ではないかと思います。台湾での出版は2016年です。それから10年、チベットの状況はますます酷くなり、南モンゴルの状況も悪化しているようです。香港は世界が見守る中で大弾圧が繰り広げられ、台湾も何時侵略を受けるかわからない状況です。

 しかし、何よりも大多数を占める漢民族自体が中共の支配の中で数千万人も虐殺されてきたのではないですか?

 はたして今のような状況を維持したままで「中国人」であることに、いったいどんな誇りと夢が持てるのでしょうかね。