再開に当たって

 人生も残りの方が少なくなってしまったし、このまま消えていくのも何だから、何か残しておきたい。そんな気持ちで今から8年ほど前にブログを始めました。

 5年ほど続けましたが、まぁ、まだ若気の至りのようなところがあって、かなり政治的に尖った文章を載せたりしましたね。ランキングを競うような人気ブログに比べたら微々たるアクセス数でしたが、一日に5000アクセスを突破するようなこともありましたよ。

 でも、ちょっと飽きたんですよ。

 平凡な人間ですから特に毎日かけるような事もないんです。それに、ちょっと気になることも起きたりして、そろそろ引き時かな、と思ったのが3年前。そこできっぱり止めました。

 私がブログを始めた頃、一番影響を受けたブログがあります。

 日々是チナオチ
 https://blog.goo.ne.jp/gokenin168/e/042ff34111e72c96cc9fd9321f7accc7

 たまたま思い出して検索してみたら、まだ残っているじゃないですか、御家人さんの遺影。ちょうど今から9年前ですね。しかも、この日から二ヶ月弱で東日本大震災だったんですね。私にとってもこの時期は人生の大きな変わり目だったんですよ。

 当時、会社内で異動がありまして、それまでの仕事とは全く違った仕事に回されて、慣れない仕事に苦労しながらけっこう夜遅くまで残業していました。カプセルホテル通いだったこともあります。

 働き方改革とやらで有給休暇をとらないと総務から注意される現在から考えてみると、とんでもない労働条件だったですね。まぁ、今となってはいい思い出ですが。

 今は動画の時代なんですかね。ユーチューバーとか言うんですか、これでけっこう儲けている人もいるんですね。何でも小学生の将来なりたい仕事の中に立派に「ユーチューバー」があるとか何とか。

 全く恐ろしい時代になったものです。私のような中年も夕暮れにさしかかっている人間にしてみれば「それって仕事?」みたいに思うんですがね。

 さて、そのブログを再開しようという話です。

 まぁ、そこにある、という以上のブログにしようというつもりは全くないし、おそらく客観的にもそれ以上のものにはなりません。取り上げる話題も、多くの人の注目を集めるような内容にはなりません。私の関心で書くだけですからね。

 最近は1989年の天安門事件関係の本ばかり読んでいるんですよ。ようやく原本でもそう苦労なく読めるようになったので手始めに王丹さんの本を片っ端から読んでします。

 彼は時期を区切って何冊か回想録を出しているんですが、今読んでいる「獄中回想録」が一番面白いですね。中国の政治犯を収容する刑務所ですよ。中でどんな非人道的なことが行われているかと想像してしまうじゃないですか。

 もちろん、政治的意思表示をした人間を逮捕拘束すること自体は、立派な非人道的行為ですが、王丹さんが収容された秦城監獄の中の雰囲気は、まるで学生寮の雰囲気なんですよ。

 監獄ですから基本は「拘束」です。行動の自由はありません。しかし、その中で王丹さんたちは、極力明るく前向きに生活しようと努力するんです。やがて、その雰囲気が監獄の職員や政治指導員にも伝わっていき、彼らとの心の交流さえ生まれていくのです。

 まぁ、それが可能だったのは王丹さんが学生運動のリーダーとして世界的に有名だったからであって、投獄されたその他の無名の学生たちはかなり酷い状況だったようですが。

 王丹さん、なかなか魅力的な人ですよ。

 中国という国は、強大な一党独裁国家であり、日本の領土領海を侵し、日本の世論分断工作を進めている恐ろしい「敵国」ですが、ここの中国人の中には非常に魅力的な人がいます。

 強い意志を持って、自分で情報を集め、自分の良心を信じ、自分の頭で考える中国人です。必ずしも知識人とは限りません。現在の中国で「エリート」となる人は、基本的に中国共産党の支配にとって最も便利な人であって「自分」というものがないんですよ。

 王丹さんには明確に「自分」があります。劉暁波さんは当然ですし、余傑さんなんかもそんなタイプの立派な中国人ですね。私は彼らを尊敬しています。

 一方で現在の中国の覇権主義と対峙し、中国人の悪癖である中華思想に基づく行動をはねのけつつ、自分自身の頭でものを考えることのできる王丹さんのような中国人に現在の中国を変えてもらう努力をすること。

 対中関係は、そんな風に努力していくしかないような気がしますね。

 ただ、私はこれ以上無原則に中国人を日本国内に受け入れることには反対です。中華思想に染まった中国人は基本的に「他者」の思想信条や習慣文化を尊重しません。彼らは彼らのやり方を日本に持ち込み、それを日本社会に受け入れを強要するでしょう。

 まぁ、そのへんの事は追々。
 今日はこの辺で。